点群公開ファイルセット

2024年4月8日公開

 点群公開ファイルセットとは,大量の点群データを公開するためにサーバーに設置するためのファイルセットです.高速なウェブアプリケーションが構築できるように設計されています.
 点群公開ファイルセットは以下の4種類のファイルセットを含でいます.
 オリジナル点群データ以外の3種のファイルセット(写真タイル,標高タイル,点群タイル)は,あらかじめデータをタイル状に分割して配信する方式で提供します.タイル状に分割されているため,利用者に必要な解像度と範囲のみを送信することができ,現在のウェブ地図配信では標準的な配信方法となっています.地図投影法やタイル分割法は国土地理院の地理院タイルと同一です.詳細は国土地理院の「地理院タイルについて」をご覧ください.
※ただし,ここに掲載するサンプルではタイルURL内のタイル座表XとYの順序が地理院タイルとは逆になっています.ご注意ください

点群公開ファイルセットサンプル

標高タイルと点群タイルのフォーマット

 標高タイルのファイルフォーマットは「数値PNGタイル」であり,「グリッドPNGタイル 仕様 0.1」で規定されています.国土地理院の「PNG形式の標高タイル」とほぼ同一です(無効値の表現方法等が異なります).
 点群タイルのファイルフォーマットは「点群PNG」であり,「点群PNG ver. 0.6仕様」で規定されています.

利用方法

 4種類のファイルセットうち,LAS形式のオリジナル点群データはダウンロードして利用されることを想定しています.
 残りの3つ(写真タイル,標高タイル,点群タイル)は,利用者のウェブブラウザ上で動作するアプリケーション(ウェブアプリ)や地理情報システム(GIS)等で受信して使用されることを想定しています.ファイル配信サーバーとアプリがやり取りする仕様は一般にWeb APIと呼ばれますが,これらのタイルはWeb APIで提供するという形となります.

写真タイル

 写真タイルは通常の地図タイル同様に利用できます.例えば,地理院地図20万分の1日本シームレス地質図には外部タイルを読み込んで表示する機能がありますので,地理院地図内の他の地図やシームレス地質図と重ね合わせて表示するといったことが可能です.
 また,LeafletMapLibre GL JSCesiumJS等の地図ライブラリを使ってウェブ地図ページを作成,利用することが可能です(参考:地理院タイルを用いたサイト構築サンプル集).

標高タイル

 標高タイルの仕様は国土地理院が公開するPNG形式の標高タイルほぼ同一ですので,それらと同様の方法で地形データとして利用することができます.例えば,CesiumJSMapLibre GL JSで利用する方法がいくつか紹介されています.
 また,QGISについてはMIERUNEさんによるプラグラインが無償公開されています.
 産総研から公開しているMyMap3Dは3D地図ページを簡単に作成するための無料のウェブサービスです.MyMap3Dでは,任意の標高タイルを利用して3D表示するためのWeb API(MyMap3D API)と,それを利用するURLを生成するためのツール(MyMap3Dメーカー)が提供されています.

点群タイル

 任意の点群PNGタイルを3D表示できるライブラリやウェブサービスは現時点ではまだありませんが,現在開発中であり,今後ご提供できる予定です.また,点群PNGの仕様自体はシンプルなので,比較的簡単に実装することが可能です.例えば,点群PNGを使った震源分布図の3D表示が公開されてます.
 単体の点群PNGファイルは点群PNGヘルパーを使って表示することができます.点群PNGヘルパーでの表示自体は2Dですが,標高値のグラデーション,または色データを保持する場合はその色を使用して表示することができます.